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「マーダの神殿によくぞ……ん?」
ホイットニーが厳かな声で来客に対してそう言おうとしたとき、後ろから殺気を感じ取った。後ろを振り返ると、セーファスが、
「客商売ですからね!ちゃんと敬語を使いましょうね(ニッコリ)」
と書かれたカンペを持って鋭い目つきでホイットニーを睨みつけていた。
「ん、ンーーー。よ、ようこそ。いらっしゃいませ。マーダのて、転職相談所へ」
ホイットニーはセーファスの視線を気にしながら咳払いをし、ひきつった笑顔で客にそう言う。今日の客は、黒の学生服を着た若い男子だが、土ぼこりなどで何故かひどく汚れている。
「お願いします。僕を、僕をバトルマスターにして下さい!じゃないと僕は、殺される」
男子は開口一番そう言い、半泣きの表情で深々と頭を下げた。あまりに大きな叫びにセーファスは慌てて飛んできた。身も心もボロボロな男子を目にして何かを察したセーファスは、
「まずは、座って話しませんか?」
そう優しい笑顔で語りかけ、その男子を相談室へと促した。
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