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近未来の日本。人口減少で足りない働き手をアンドロイドが担うようになってしばらく経っているが、人と区別できないほど人工知能が発達していない世界。
アンドロイドの担っている仕事はサービス業・製造業・農業。
高校生2年生の朝峰 竜人(あさみね たつと)は片田舎の農村で一人暮らしをしている。
電気帯電体質のせいか高性能な電化製品を扱うことができなためSNSや流行に追いつけずクラスでは浮き気味。
趣味はカメラ撮影。
〇人と変わらない人工知能開発のために人へ似せて作られたアンドロイド。食事などの生命活動も再現。3年前に製造され、それ以前の記憶はなく記憶喪失の身元不明人として保護されたと本人には知らされている。帯電体質なのは最新のネット接続機械を扱わせなず経過観察を行いたかったため。
〇この時代のネット接続デバイスはウェアラブル化しており常時ネットへ接続できる。形はメガネのような形の物から体内へ埋め込むタイプまで様々。竜人は現代のパソコンなどは問題なく操作できるがこの時代ではとても少数派。
ある日のこと、この時代では珍しくなった内燃機関のバイクで一人山沿いの風景写真を撮りに行った。
そこで聞き慣れない電子音が響いていることに気づく。
その音が妙に気になった竜人は音の発信源を探し出す。そこは重機の保管場のようで人が立ち入らなくなってしばらく経つようだった。
音は施錠された建物の名から響いている。裏手の斜面が軽く土砂崩れを起こして壁に穴が開いていたことから中に侵入することができた。
中は外観に似つかわしくない何かの研究施設のようだったが人の出入りがしばらくないことがわかる。壁に穴が開いたいたせいか雑然としている。電気も通っていない。
そんな室内の隅に音の発生源があった。
それはアンドロイド保管用のカプセルで通電が切れたことでバッテリーと切り替わりその異常事態を知らせるためのアラート音だった。
点滅するコンソールに触れるとカプセルが開く。中には旧型の見るからに生身の人ではないことがわかる女性型のアンドロイドが眠っていた。
何気なくその保管庫を触れるとバチッと静電気が走ったときのような感覚に驚き手を引く。するとそのアンドロイドは起動してしまう。
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