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竜人は怒っていた。男へマリオンの今後の処遇を訪ねてもはぐらかされるばかりで、さらには男のそばにたたずむ多脚の戦闘用アンドロイドから一方的な圧力をかけられる。
マリオンは竜人の身を案じてもうここで終わりにしようというが、聞く耳を持たなかった。竜人はあの男とアンドロイドを突破してマリオンを研究所へ連れていきたかった。逃げ切れるとは考えていないし萌える研究所にマリオンの求める何かがもう残っていないかもしれない。それでもマリオンが初めて自身へしたお願いに応えてやりたいと正直にマリオンに伝えた。マリオンもそれに同意する。
あたりには雨が降り始める。
竜人とマリオンは短く言葉をかわすと戦闘アンドロイドへ向けフルスロットルで接近する。男にとっては思いがけない行動に一瞬判断が遅れる。一方的な状況で相手を見くびっていたせいだ。竜人とマリオンはバイクから飛び降りそのままバイクをぶつけ戦闘アンドロイドの多脚の一つにぶつけ一瞬体制を崩すことに成功し、竜人は男へマリオンは戦闘アンドロイドへとびかかる。
マリオンはPCを叩き壊したときの感覚を引っ張り出し本体の装甲の接続部を目一杯引っ張る。勢いよくボルトが飛び基盤やコードの伸びる中身が顔をだす。そこへ何度も腕を振り下ろした。
竜人は男へとびかかり男の身に着けているウェアラブル端末に触る。男はゴーグル型の端末を身に着けていたが異常な帯電質の竜人が触ることで昨日を停止してしまい男の視界はブラックアウトしてしまう。身体応力では竜人を上回る男も視界がなくては竜人を取り押さえられず互角のもみ合いを続けている。
マリオンが十数発の殴打をアンドロイドの内部へおみまいしてようやくその動きを止めたころパンッと乾いた音が響く。
何とかゴーグルを外した男が腰のホルスターから銃を抜いて馬乗りしいる竜人の頭に向け弾丸を放った。海老ぞりになる竜人。しかし男とマリオンは銃声とともにおかしな音を聞く。それはまるで弾丸が金属に触れるような音だった。頭部への弾丸を受け絶命したかと思われる竜人が男に向かって海老ぞりに沿った体を弓のようにはねさせて動き、男の胸骨へ腕を振り下ろす。すると一瞬大きくバチッと音と閃光が走り男は短いうめき声をあげたあと体の力が抜け銃を落とした。
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