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 少年は女生徒に機械人形を見せてくれと頼む。女生徒は何で今の私が本物の私だと思うの? と尋ねる。もしかしたら、機械人形の私かもしれないよ、と。少年は確かめようと女生徒に触れようする。奥の部屋から機械人形師(機械人形を作る方)が出てくる。他愛のない話をする内に機械人形師が少年の変化に気づく。兄のことが好きなんだな? と言葉にして認めさせる。 「だが、前にも言ったように機械人形を作るには本人と会って話をする必要がある。対象者の人となりを理解しないと作れない。もし兄の代わりとなる機械人形を作りたいと思っているなら、包み隠さず全てを打ち明けてから来るんだな」  少年は改めて事実を突きつけられる。少年が下を俯くと、機械人形師は続けた。 「ただ」  少年は顔を上げる。 「俺もお前らの関係性にはかなり興味がある。二人が会話をしているところを是非見てみたい」  徐々に機械人形師の気持ちが高まってくる。少年は困惑した。 「どこか外で話しているところを観察させてくれないか、もしかしたらそれで作れるかもしれない。そう、それに男の機械人形のサンプルも必要なことだしな……」     
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