0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
高校受験に失敗した私は、すべり止めで受験した高校に通っている。
この高校は私が目指していた高校よりも偏差値がかなり低いため、
クラスメイトも私とは全然違うタイプの人しかいない。
茶髪、金髪は当たり前、制服は気崩し、授業では寝る、さぼる、携帯いじる……。
私には考えられないことを平気でやる人たちばかりだった。
別に私はその人たちを軽蔑しているわけではない。
実際、話してみると気さくな人が多いし、私みたいな地味な子も遊びに誘ってくれる。
だから、私は今の状況に不満があるわけではない。
むしろ恵まれているとさえ感じる。
だが、タイプの全く違うクラスメイトと過ごしているとふと考えるのだ。
私もこんな風に明るく、楽しい人間になった方が良いのではないかと……。
高校生なのに真面目に勉強して、おしゃれもしない自分は間違っているのではないかと……。
そんな思いは日に日に膨れ上がる。
しかし、そんな思いがあっても行動を起こす勇気がない。そんな堂々巡りを繰り返しては、私の気分は沈んでいくのだった。
最初のコメントを投稿しよう!