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プロローグ
【カルキノスハンター・ヒコヤン奮闘編~】
夥しい種の魑魅魍魎が湖底から水面までを支配し、まだまだ人智をしのぐ存在感を誇る神秘の暗黒領域……その名もビワ湖。言わずと知れた惑星ケプラー22b最大の淡水湖である。
ここはその巨大湖近くを流れるオーミナガハマ市の小川で、陸からカフェラテのような濁った水を延々と注ぎ続けている。
簡素ではあるが、カラフルな服を纏ったB級奴隷の少年達が、ワイワイ騒ぎながら何かを物色していた。
「また見付けたぞ! ケプラーシオマネキの小さい抜け殻!」
「やったぁ! 皆で手分けして持って帰ろうぜ」
中型装甲殻類の脱皮した抜け殻は、乾燥させると自然に50個近くのパーツに分解する。今子供達の間では、そのバラバラになったパーツを接着剤で組み立てるホビーが大ブームで、ガンプラ並の人気を誇っている。中には塗装したり改造する奴まで現れて、とんでもない趣味の世界が広がっているのだ。
「もう夕方だ。本体のカルキノスが出る前に急ごう」
「最近、なぜか大量発生してるって父ちゃんが言ってた」
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