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かまう人。
我が家の朝はにぎやかだ。
まず陸上部の朝練がある中二の弟に、朝ご飯を食べさせて送り出す。化粧を終えた母に朝ご飯を出して、二度寝をしている父に声を掛け、両親と弟と私の四人分のお弁当作り。弟のお弁当は学校の休み時間に私が手渡しに行く。
朝ご飯を食べ終えると、母は双子の妹たちと弟を起こしに行く。ちびたち三人と自分の朝ご飯をテーブルに並べてるあいだに、小さいけれど賑やかな足音が聞こえてくる。ついでに三度寝をしている父を、母が起こす声も。
ちびたち三人が顔を洗っているあいだに、私は朝ご飯をかき込んで。母と私の二人掛かりで、席についたちびたち三人に朝ご飯を食べさせるのだが――。
「これ、りっちゃんにあげるー」
「これ、さっちゃんにあげるー」
「はーい、ピーマンの押し付け合いをしないの」
幼稚園年中さんの沙奈と里奈は双子。自分そっくりの顔をした相方に向かって、互いにフォークに刺した緑色の物体を差し出す。このままけんかに突入することも、間々ある。ちっちゃくても女は女。女同士の舌戦は、なかなかに熾烈だ。
「……」
「まーくん、起きてー。お口から逃げて、全部、テーブルに落ちちゃってるよー」
「……あー」
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