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はみ出した頭蓋骨を
どうするのかと思っていたら
火葬場の職員が暢気な声で
「頭蓋骨収まらない人もいるんですよねー。
でも蓋しちゃうんで大丈夫です。」
と。
笑いながら骨壺に乱暴に蓋をし
バリバリ!メシャっ!と
大変嫌な音を立て
私の目の前で
父の頭蓋骨が砕けた。
枯れ葉を踏みしめる音にも似ていた。
父の死から火葬まで
一度も泣くことの無かった私は
その瞬間悲鳴を上げ
はじめて泣きながら
火葬場の職員に掴みかかろうとした。
と、
聞いている。
自分が悲鳴を上げた事は全く覚えていない。
ひとしきり泣き叫び暴れ、気絶したと教えられた。
それ以来私は
菓子のパイが食べられなくなった。
パイを咀嚼する音は
火葬された骨が砕ける音に
大変似ている。
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