#002 Sexual experience

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自宅の門が閉まっていた為、 私は道路から屋内に向かって 「ただいま帰りました」 と声を張る。 古い家の壁はあまり厚くない為、 外からでも大きな声で呼べば 大概家の中には聞こえているのだった。 しかし、母からの返事が無い。 私が学校から帰宅する時間には 必ず家に居るからと言っていた母であったが 何故か この日に限って 滅多に閉めない自宅の門に ご丁寧に鍵までかけて 外出していたのであった。 後から聞いた話では、 不意に銀行に行く用事を思い出し すぐに戻れば大丈夫だろうと 徒歩5分程の距離のそこに 出かけていたのだった。 せめて、門が閉まっていなければ。 私は自宅の敷地内に入る事が出来 庭で砂遊びでもしていたのだろうが… 居るのか居ないのかよく判らない 神とかなんとかいうものは 随分と酷い悪戯をするものだ。
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