#002 Sexual experience

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その男は 周囲の無人と私の姿を交互に確認すると 自転車をとめ 自身の指を舐りながら 無言でこちらに近付いてきた。 一歩 二歩 三歩。 そして体育座りをしている私の前に ゆっくりとしゃがみ込む。 息がかかるほどの至近距離だった。 男は、まるで平静 何事も起こっていない様な 飄々とした顔をして 私のズボンと下着の中にその手を強引に突っ込んだ。 あまりに緩慢な動作であった為 何が起こっているのか理解が出来ず ただその男の動きを目で追いながら そこを動かず、声も出さなかった。 男はニヤニヤと不気味な笑顔で こちらの様子をうかがいながら 私の下着にねじ込んだ濡れた指で 性器や肛門までもしつこく(なぶ)一頻(ひとしき)りそれを繰り返した後 す、と一度立ち上がる。 自身のズボンのボタンを外し ジッパーを下げながら ぼそりと小さな声で 「~、いい?」 と、言った。
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