#000 序

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まるで出鱈目なそうした噂は 夫を亡くしたこともなければ 離婚をしたことも無い。 両親と子が一揃いしたまともな家庭で 日常に刺激を求めている主婦たちには リアル昼ドラとして楽しまれ 火の無い所からいくらでも煙が立ち 母方の血縁類は いくらか流れて来た噂のうちの一つを鵜呑みにし 母が友人として知り合っただけの男性を 再婚を前提に付き合っている恋人と勘違いした。 一族全員が公務員で、何かと体裁を取り繕い 無駄に周囲の顔色を窺ってばかりの縦型お役所脳と 本家だ分家だという、 くだらない田舎風習に染まり切っている彼らは 父の血縁に挨拶に行くようにと 私達親子の知らないところで、 勝手に挨拶の場を段取りしてしまい 断る事の出来ない状況に追い込んだ。 父方の血縁類からは まるきり誤解であるその件について 半日程罵声を浴びせられ続け 絶縁。
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