第2章

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 それを聞いた智也は、卒業してから六年間、一度も会っていなかったが、その同級生、高橋誠の顔がすぐに思い浮かんだ。  智也の通った高校は、三年間クラス替えが無く、クラス全員纏まっていたが、卒業後はみんなで会うこともなく、仲の良い面子だけで遊ぶ程度のつながりになっていた。死んだ高橋誠も、いつの間にか縁遠くなった一人だった。  告別式の時間と場所を矢継ぎ早に伝えた後、町山は一緒に行こうと誘ってきたが、あまり気が進まなかった智也は、バイトを休めないという理由で断っていた。 「クラスの八割ぐらいが来てたよ。来てなかったのは、お前と東京にいない奴らだけだった」  そう言うと、町山はレジのあるカウンターに寄り掛かった。 「へー、そうなんだ」 「興味なさ気だな」  反応の鈍い智也に、町山はつまらなそうな態度をした。 「俺、あんまり仲良くなかったし、お前だってそうだろ?」 「そうだけど、高橋とは三年間同じクラスだったわけだし、薄情な奴だな」 「バイトだったから仕方ないだろ」 「嘘つけ! 今何やってるか聞かれるのが嫌だったんだろ?」  本音をズバリと言い当てられ、うろたえた智也は、 「オーナーに怒られるから、用がないなら帰れよ」     
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