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整った顔の好青年に著作を褒められると、信一郎は悪い気分にはならなかったが、その笑顔は人口筋肉によって作られたモノでしかない。
「読んだのではなく、ダウンロードしたの間違いでは?」
「いえ、本当に読みましたよ。ダウンロードすれば一瞬ですが、私は無駄な時間を楽しむのも好きなんです」
皮肉交じりの質問に、シュウは明朗快活に答えた。
「そんなもんなのかね。俺だったら、そんな選択はしないけど。まあ、ロボットが椅子に座っている時点で、俺には理解不能なんだが―――」
その会話の途中で、壁際の女性弁護士が手を上げて、
「すみません、それは差別的発言に当たるので訂正をお願いします」
と発言した。その予想通りの反応に、信一郎は「どこが?」と確認すると、
「彼を人間と同様に扱ってください。それにロボットではなく、フォースパーソンという言葉を使うようにしてください」
と、女性弁護士は要求してきた。
―――人型ロボットにも人権を。
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