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僕が高校生の時だった。
僕はいわゆる『陰キャ』だったが、特にいじめられている訳でもなく、数は少ないが友達はいて、平凡な毎日を過ごしていた。
やりたい事も興味がある事もなく、進路選択はいつも迫られていたが、自分は普通のサラリーマンになるんだろうと当時は思っていた。
だが僕が高校二年生の時のバレンタインデーのことだった。
その日はたまたま調理実習があり、そこでチョコ菓子を作るというのが課題だった。
お菓子作りなんてしたことがなかったが、やってみると意外と楽しかった。
しかも家庭科のフランス人の先生に「オバタケコウ(結構)イイネ!」とカタコトな日本語だったが褒められた。
バレンタインデーは女子から男子にあげるのが習慣だが、調理実習の後は男子が女子に渡しているのも見受けられた。
実は当時、僕には好きな人がいた。その人は同じクラスのの相楽清花(さがらすずか)で、名前の通り清楚な感じの可愛らしい人だった。
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