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(どこかで会っただろうか……)
「ああ、そうだけど……肩書きなんてどうでもいい、実際には傭兵の仕事だろうし」
余計な考えごとをしていたせいで、うまくまとまらないまま言葉にしてしまった。
「『今までは』酷い契約でしたのね」
再びにっこりと笑って更に細くなった目になんとも言えない恐怖を感じた。
この人は、何者だ。
「大丈夫です。安心してください。今回はちゃんと指導教官のお仕事です。安全な後方で、しかもなんと、若い女の子ばかりの指導です」
おすすめの服を押し付ける店員のような彼女の言葉だった。何かの勘違いではなく、罠にはめられたことを悟った。
いや、罠のつもりもないのだろう。こんなケースは想像もしていなかったのだ。仕方がないと肩を落とした。
「まあ、安全なのは今のうちだけで、来年くらいには、この辺もきな臭くなりそうですけどね」
「色々聞きたいけれど……まず何故、僕に?」
「んー? そうですねえ。実戦でのドックファイトの経験があって、若い人がいいかなと思いまして」
内心では驚いていた。
僕のことも、全部知っているのだと思うと怯えにも似た緊張感が走った。
ただ、彼女の方はもう余裕の笑顔だった。もう、僕は完全に制圧したという感じだった。
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