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やっぱりすごい人なのだと恐縮していると、少し腰を乗り出してヨーコに近づいて身振り手振りを交えて戦争の時の話をしてくれた。
映画や舞台にもなった有名なエピソード。ほとんど戦闘の経験の無い少女たちが集められて、環境に配慮した戦闘機のために訓練を受けた。軍の上層部は、宣伝のためくらいにしか彼女たちに期待していなかったけれど、裏切った軍の一部と裏で結託していた隣国の侵攻でサマリナ国滅亡の危機の際に、大活躍をした。
国家滅亡の危機に立ち上がった少女たちの友情と勇気の物語は、サマリナだけではなく諸外国にも讃えて広まった。
特に、映画の盛んなファーエンで三年前に作成された映画は、世界中で大ヒットを記録して彼女たちは世界中で大人気になった。
「実際のところは、最後まであいつらとは仲悪かったわ。あの娘たちは、実際のところは結構いいところのお嬢さんばかりだったし」
親しみやすく等身大の女の子の話として、有名なエピソードの実際のところを話してくれた。
(まあ、でもちょっとがっかりなエピソードだなあ)
やっぱり、外国人であるヨーコにとっては何本かの映画の印象がすり込まれているのだ。
「実際のところは私たちが、空戦で戦ったのなんて数回だけよ。あとは補給用の車にこっそり近づいて攻撃しただけ」
「それでも、すごいことだと思います」
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