無口な君の

2/6
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「早紀は原田君とはうまくいってるの?」  友達にそうやって聞かれるのが、私はとても苦手。  貴重な休み時間に聞くことか? と思ってしまう。  原田君は私の彼氏だ。  ちなみに隣のクラス。 「う~ん」  冗談でも『ラブラブだよ!』なんて言っておけば、いい感じにスルーしてくれるのかなと思いつつ嘘がつけない。 「え~、この前の休みだってデートしたって言ってたじゃん」 「まぁ、それはそうだけど……」 「楽しくなかったの?」 「う~」  楽しかったか楽しくなかったかと聞かれると、難しい。  私は盛り上げようと思って楽しげに話しかけたりしていたんだけど、肝心の相手がほとんど無言で頷いたりしていただけだったのだ。  しかも、誘ったのも私。  行き先を決めたのも私。  おまけに、……先に告白したのも私。  というか、まだ好きって言われたことがない!
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!