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放課後、学校の屋上。
遺書は風に飛ばされないように靴を脱いで錘にした。
目を閉じる。
これで全部終わる。
ゆっくりと前に倒れていく。
頭が足と水平になる。
そして、頭から落ち始める。
「何やってんだ、バカヤロウ!」
男子の声と同時に右足首を掴まれた。
宙吊りになって、スカートが全部めくれる。
「離して!」
最後の最後で、パンツ丸見えなんて‥‥私はどこまでツイてないんだろう。
バタバタと暴れる。
「暴れんなって!」
もう片方の足首も掴まれた。
少しずつ引っ張り上げられる‥‥自殺未遂なんて最悪。
涙が零れ落ちていく。
足が屋上に引き上げられて、直角に胴体だけが垂れ下がる。
「じっとしてろよ」
足を押さえながら私の上を登ってくる。
「死なせてよ‥‥」
涙が零れ落ちる。
「死なせねーよ!」
右手が私の胸を掴む‥‥。
「痴漢! 離して!」
一瞬掴む手が緩んで、もっと強く掴まれる。
「そ、そんな事気にしてる場合かよ!」
ついに全身引きずりあげられた。
「はぁ。はぁ‥‥大丈夫か?」
「大丈夫じゃない! 私は死ぬの!」
立ち上がって、飛び降りようとした所で後ろから抱きしめられた。
「おまえが諦めるまで、絶対離さないからな!」
ボロボロと涙が溢れて頬を伝う。
「俺な、おまえがいっつも暗い顔してて気になってたんだ。受業が終わって深刻そうな顔で階段昇り始めたから気になって着いてきた。やっぱ、おまえ、イジメられてたんじゃねーのか?」
「‥‥そうよ。だから死んで復讐してやるの。離して」
「諦めるまで離さないっつったろ。責任は、ちゃんと取ってやるから、な?」
「責任って‥‥?」
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