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 良い子、悪い子、普通の子だな、と改めて思った。バランスが取れている。  いや、取れてしまっていると言った方が正確で、そして問題を適切に表現している。  今日はその問題を解決しなければならない。 「今週末は、準決勝。そして決勝戦を控えています」  シュウが頷き、青田が何を当たりな、という顔。猫伏は、軽く頷いたように見えた。 「もちろん今まで通りの野球をすればいいです。そうすれば勝てる、かもしれません。勝つ確率を、少しでも上げよう。物事に絶対はありませんが、その絶対に近づきたい」  そして一度大きく息をつき、宣言する。 「でも、今回は、理屈じゃないだ!」  三人が「え」と声に出して反応する。予想通りだ。 「いきなりそんなこと言われても……」  猫伏が困惑した目で中田を見る。  よしよし、説明をしてやろうかと口を開きかけた矢先に、青田が叫ぶ。 「いや、流石先生、よう言うてくらはりましたわ! 『理屈じゃねえんだ』でしたっけ、格好ええやありませんか!」  なあ、と言って青田がシュウと猫伏に同意を求める。 「アイヤー、センセ、急にどうしたアルか? 何か悪いもの食べたアルか?」  ガクっと来たが、シュウが続ける言葉に救われた。 「らしくないアルね。でも……いいアルね。『理屈じゃねえんだ』アルか」     
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