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惑星コルセリアのその日は、とても晴れた日だった。
目を焼かんとするかのような強烈な陽射しは、ただ立っているだけで体力が奪われるが、そんな事は誰も気にしない。
蒼く澄み切った空の下、猿と海老のエイリアンがビールを呷る。
後ろでは大量のジョッキを抱えた機械人形が何らかのパーツを落としながら走り周り、水煙草を吹かしていた集団が呼び止める。
大量の紙吹雪が宙を舞い、しっちゃかめっちゃかに踊り狂う異星人達の様子は大きな祭りの最中のようであった。
百を超える屋台が軒を並べ、数万の知的生命体が密集しているここが、僅か十日前には何も無い荒野だった、と言えば信じる人間はそう多くは無いだろう。
惑星観光客である彼らが、特に珍しくも無いコルセリアと言う資源採掘惑星の、それもわざわざ僻地に足を運んで来た目的は、彼らの頭上に浮かぶ装甲板を張り付けた指輪のような物体にある。
ゴゥンゴゥンと低いエンジン音を唸らせながら回転する無骨な指輪の中心から覗く蒼い空が僅かに揺らぐ。
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