第一話

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第一話

○カノン宅、工房 カノン「ふん、ふん♪ ふんふふーん♪」    カノン、鼻歌を歌いながら、機体・ギムレットの胴体部をいじっている。    レンチ片手に、ギムレットの露出した心臓部、エンジンが搭載されている部分を触る。    カノン、軍手をはめた右手で顔をぬぐい、鼻先が黒い油で汚れる。 カノン「えーっと、これ……で、いいんだよね?」    カノン、レンチを工具箱にもどし、机に置いてあるインパクトレンチを手に取る。    トリガーを引いて、ギムレット心臓部のボルトを次々締めこんでいく。 カノン「ほいほい、ほいほいのー、ほいっと!」    カノン、すべてのボルトの締め込みを終え、胴体部の装甲板を嵌めなおす。    ギムレットのピカピカに磨き上げられた表面塗装を眺め、満悦げな表情で鼻息を鳴らす。 カノン「むふーっ」    カノン、ギムレットの周りをうろちょろしながら一通り全身の様子を確認する。 カノン「んー、これでいけるはず……だけど。起動するかな?」    カノン、ギムレットの全身に刺さっているケーブルを次々に抜いていく。    気圧の抜けるシリンダー。床に落ちて音を立てるケーブルの接続金具。     
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