第一章 はじめましては突然に

10/86
前へ
/170ページ
次へ
 しかも、船団の他の艦はレーダーや通信範囲内どころか艦外の望遠カメラですら確認できないというおまけ付きで。    ブラックホールとは別の存在である『ワームホール』の存在は、確認は出来ていたものの唐突に発生したのは一回も確認できておらず、さらにあんな巨大なものがある物だとは誰も認識していなかった。    推論ではあるが『ワームホール』とは宇宙に存在する空間と空間を繋げるトンネル(もしくはゲート)なのだろうとリョウ達は判断している。  その理由は自分たちに起こった状況と以前、船団で確認した数少ないデータからだ。    ことの始まりは妙な重力力場が存在しており、その地点に先行させていた無人偵察機がいきなり消えたことだ。何回か試しても同様の結果になったため、とりあえずその重力場には近づかないよう船団所属の全艦で共有して終わったのだが、航海(航宙?)を続けていくと同じような重力場がそこそこの確立で見つかった。       
/170ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加