第一章 はじめましては突然に

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「へえー。初めて知りました」    素直に感心するリオ。この艦長はたまに変なことを知っている。普通なら誰も知らないようなことを知識として仕入れているのだ。どこで役に立つのかは知らないが、物覚えが悪いわけではないらしい。でなければ艦長などまがいなりだろうとつとまるわけがない。 「残っているデータがかなり古くて細かいところはわからなかったんだけど、どうやら小惑星のサンプルを入手するために地球から飛び立ったらしい」    リョウの話に相づちこそ打つもののリオは黙って聞いている。 「んで、その道中に太陽フレアを浴びたせいで一部に不良が起きたりやホイールとかが逝かれた。なんてことがありつつも目的の小惑星に近づくことには成功したみたいだな」  一呼吸置くと、またリョウが話し出した。 「その小惑星のサンプル回収さえも難航して何回か試したみたいだな。それ自体はなんとかなったみたいだが、問題はそこじゃくて回収に成功こそしたものの、その直後に通信が途絶して予定と違う方向に飛び立ったことだな」 「それって大丈夫だったのですか?」       
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