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「つまりこれは俺らに帰還したら艦ごと燃え尽きろって言いたいわけだろ?」
折角の話の余韻に水を差す発言をするリョウをリオはあきれ果てた目で見つめる。
「絶対違うと思いますが……」
リオの言うとおりである。由来となった探査機とは違いこの『オオハヤブサ』には大気圏再突入に耐えうるだけの装甲を最初から持っており、それ以外にも大気圏再突入時に艦の下部を覆うだけの耐熱性のジェルが準備されている。
その他にも保険は用意されており、大気圏で燃え尽きる心配は皆無といっていい。名付けた意図は確認のしようも無いので想像するしかないが、おそらく幾多の苦難を乗り越えてでも帰ってきた《・・・・・》ことを知った誰かが、この艦も無事に帰ってくることを願い名付けられただけだろう。
というか、探査機のエピソードまで知っておきながらそんな穿った見方をするのはこの男だけだ。
そんな中――突如、警報が艦内へと鳴り響いた。
直前まで呑気に会話していたリョウも、これにはさすがに表情を変えた。
「何があった!?」
「艦前方、六〇度付近に多数の熱源反応確認……照合完了、機械甲虫です! 数、約五〇〇!」
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