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リョウの問いかけに答えたのは、少し前リョウと一緒にリオに怒られたオペレーターの一人である少女――ポニーテールの髪型をしている――スズナだ。
眼前の電子モニターを操作しつつ状況を的確に報告する。
「っち! めんどくさいのと出会ったな……」
スズナの報告を聞いたリョウは舌打ちを一つすると自身も手元から電子モニターを展開し、艦外の望遠カメラの映像を確認する。そこには、宇宙の暗闇の中を恒星からの光を反射させながら進む、銀色の影が『オオハヤブサ』へと向かってきていた。
機械甲虫――船団が太陽系を超えて外宇宙を旅するようになってから、幾度となく出会った正体不明の化け物。
機械のような装甲と赤い複眼のようなものに加え、クワガタやカブト、それにカマキリと蜂が混ざり合ったような外見をしていることから機械甲虫と名付けられた。
宇宙という特殊な空間でも活動できることに関しては船団でも意見が多数に別れ、生物なのか兵器なのかすらわかっていないが、一つだけ判明している事実があった。
それはこの機械甲虫という化け物が自分たちにとっての敵だということだ。
機械甲虫とのファーストコンタクトは無人偵察機であり、こちらの呼びかけに応じることなくその角や鎌によって破壊された。
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