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そして、艦長と呼ばれた名の通り、このだらけきった男こそ、第一次外宇宙航海船団所属の日本艦『オオハヤブサ』の艦長――『リョウ・カンナギ』であった。
「悪かったよ……」
さすがに騒ぎすぎたと判断したリョウは素直に謝る。
「「「すいませんでしたー、副長ー!」」」
そんなリョウと同じように彼女たち三人も謝罪した。
リョウの横に座り四人をしかりつけた少女は、この艦の副長であるリオ・カガミだ。リオはその淡い桜のような長い髪を揺らすと「ふうっ」と一息ついて、気にするなとでもいうように手をひらひらとさせた。
この件はこれで終わりだ。少女達三人は副長のその動きを見て、軽く頭を下げると再び電子モニターと向き合って作業しているし、艦長であるリョウも先ほど同様暇そうにぐでっている。
威厳だとか尊厳だとかを完全に置き去りにしたリョウの様子をリオは横目でジトッと見つめ、呆れたように、
「全く……暇なら艦長お得意のゲームでもすればいいじゃないですか。別にそれくらいならしていてもかまいませんよ?」
今の状況が退屈だということは彼女も理解できる。なぜなら、彼女自身も暇――というかこの代わり映えしない状況にうんざりしているのは事実だからだ。
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