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機体の調整、そして計画が練られ、主人公が地球に向かう日がやってくる。目的はマスターブレイン。しかし地球の人工知能の防衛力は日に日に増していた。
火星軍は人工知能の機能をジャミングすることで防衛網を無力化し地球に降りたっていたが(人工知能が有人ロボットを利用していたのはこのため)それも対策をされ、主人公は苦戦を強いられる。が、地球の人工知能が作りだし、火星の天才がカスタマイズした主人公機はそれらをはね除けマスターブレインの元へと迫っていく。
マスターブレインのある巨大構造物に侵入し、ついにコアブロックに到達しようというとき、主人公の前に一機のロボットが降りたつ。
「◯◯君、久し振りだね」
「その声は……◯◯!?」
それは主人公が好意を寄せていた女の子だった。
「嬉しいよ。帰って来てくれたんだね」
しかしその銃身は主人公の機体を捉えている。
「◯◯クククククンがカカカカエッカッテキテクレタオカゲデワタシはキカキカキカキキカキカ」
それはもう主人公の知っている女の子ではなくなっていた。
葛藤する主人公は目の前の機体の攻撃を避けることしか出来ない。じりじりと疲弊していく主人公。そんな時、不意に対峙する機体のハッチが開く。そこには、コックピットと同化しなかば機械と化した女の子姿。その女の子は、笑みで語った。
「お願い◯◯君。殺して」
それは言葉ではなく、意思。その笑みには祈りが込められていた。主人公は女の子を殺し、マスターブレインの元へと進む。
全てを終わらせるために、ヒトの尊厳を取り戻すために。
そして戦いは終わる。
主人公は火星へと戻り、英雄になった。
火星の慰霊公園で主人公は少女と言葉を交わす。ここには地球にいた全ての人間の魂が眠っている。地球にいた全ての人間たちは、マスターブレインをハッキングする際に人工知能の憎しみを一心に受け破棄されていたのだ。
「浮かない顔をしているね」
「沢山の人が死んだ」
「仕方無いよ。あれは戦争だった」
「地球の人間を殺したの、お前たちだろ?マスターブレインのせいにしてるけど、ハッキングして人間を破棄するように働きかけたんだ」
「そんなわけないでしょ」
「まぁ、しょうがないか。火星の人間だって、沢山死んでるんだもんな」
主人公が俯いて呟くと、少女はああ、それね!といった顔でいう。
「大丈夫。あれ人工知能積んだロボットだから」
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