キュンとしたひと言……

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キュンとしたひと言……

貴方に言われたひと言が僕の胸を甘く締め付ける。 「キュンとしたひと言」 ++++++ 僕の名前は橘 春利(たちばな はるとし)。 所謂、乙女系男子。 少女マンガを好み、カッコイイ女の子に告白されてみたいと言う様な嗜好を持つ。 でもそれを周りに言うわけにはいかなくて黙っていた。 僕の容姿は中学生でも通りそうな童顔。 だけど実は大学生。 顔立ちは女性よりで可愛いものを持っても違和感がないらしく、普通の同級生よりは可愛いグッズを持っている。 だが、時々同性の同級生に可愛い物を否定されてしまう。 「橘、お前大学生になって女子みたいなグッズ持つなよ。恥ずかしいだろう?」 同級生から言われた事に僕は固まる。 否定されるのはわりとあるけどその度にショックを受けた。 「可愛いからつい……」 少し泣きそうになりながら僕はカバンに付けてるグッズを外していると、それを聞いていた女の子が反論した。 「別にいいだろう? 橘が好きでつけているんだから、お前に言われる筋合いは無い。橘、気にする必要はないよ?」 味方してくれた女の子は、水嶋 冬梨(みずしま とうり)。 水嶋は笑って僕の手を掴んでグッズをつけ直す。 恥ずかしさを紛らわせるように、僕は呟いた。 「水嶋は可愛いもの嫌いだろう?」 すると水嶋は笑って頷いた。 「ああ、嫌いだ。だけど、その人が好んでつけているのを止める必要性はないだろう? 好きなら好きでいいんだ!」 水嶋は男子のグループに普通に入っている女の子。 女の子なのに水嶋はカッコイイ。 僕の憧れの人。 告白なんて出来ない。 だって水嶋には年上の想い人が存在しているから、相手にすらされていない。 それに水嶋は王子様みたいに優しいので女子に人気。 「あっ、私もう帰る! 先輩が呼んでるから」 そう言って水嶋は教室から出ていく。 するとそれまでの空気が弛緩した。 ――トン。 水嶋はいつも帰る際に僕の肩を叩いて行く。 それが心臓に悪い。 これはきっと恋心。 だけど水嶋には好きな人が居て僕を見てくれない。 それが僕は悲しかった。
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