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二体の手足が長いモンスターは頭を撃ち抜かれて死亡。反転、ヒナタはうしろにいたモンスター達に構える。奴等はまだモンスター同士でいがみあっていた。
彼らの視野の外にいるヒナタは、的確に二体の頭を撃ち抜いた。
細かく砕かれた脳しょうと血しぶきが、天井にも付着する。
「……はぁ、ぁっ」
倒した?
辺りを見回すと、どうやら敵は一掃したらしい。
劣りに引き付けられてないモンスターもいただろうが、ほぼ全てを日向一人が殲滅したようだ。
「はは、終わった。終わったぞ……」
あとは、めぼしいハザードを回収して、おさらばだ。時間も大分経ってるだろうし、もう心配は。
【……日向?】
と、そこで仲間からの通信が入る。
声は聞きなれたもので、あぁ、とヒナタはうなづく。なつみの声だと。
【にげ――いや、もう、にげれない】
「え?」
いつものハキハキした口調の彼女ではなかった。翼を折られ、嘴を砕かれ、足も切断された鳥類のような声を彼女は発していた。その声すらもあまりにも弱々しく、所々聞こえないとこがあった。
「なつみ、何を言って。なつみ?」
第六感が告げる。
ヒナタは廊下をつっきり、一気に壁際まで迫る。そしてふりむく。彼がいたとこは天井から巨大な何かで撃ち抜かれて、そのまま真下の地下鉄の空間まで砕かれていた。
「――は?」
撃ち抜いた何かは肌色をしていた。巨大な肌色の柱。
ああ、と日向は察する。
巨大な肌色――そんなの、モンスターでしかありえない。再度、爆ぜるような音が構内にひびく。
これまた巨大な肌色をしていて、おそらくは人型のモンスターの足だろう。
二本の足。
ある意味では、他のモンスターと比べてもっとも人間に近い形をしているタイプのモンスターだ。
ただし、それは人より数十倍も大きい。
「巨人か……」
ハザードにはレベルがある。
さっきのモンスター達も一応ハザードであり、レベルはせいぜい1がいいとこだ。
しかし、この巨人は違う。巨人と呼ばれてるハザードは違う。
「ハザードレベル2……」
【――ひなっ】
声は途切れ、通信は完全に遮断された。
第六感が告げる。ヒナタはちょっと歩いただけで、正確に敵の攻撃をよけた。
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