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片やギリシア彫刻の様に隆々とした勇ましい四肢と鮮やかな紅色の頑強な装甲を持ち、片や蛇の様に艶やかな肢体と水晶の様に透き通る蒼く美麗な鱗に覆われた、自分達とは明らかに格が違う化け物共。
その圧倒的な存在感に、雪兎は思わず息を呑む。
「神話級害獣だと? どうしてこんな奴等が旧都の地下に……」
『分かりません、しかし随分ときな臭い仕事をしていた事は確かな様です。 その辺のカプセルをご覧下さい。 人の残骸と思われる物体がフヨフヨしてますよ』
促され、雪兎はふと視線を巡らせるとグチャグチャに折れ曲がった腕の群れやら破裂した子宮をかき集めたような肉塊やらを直視してしまい、思わず目を背けて呟いた。
「何なんだよこれは、ここに居た連中は一体何をやってたんだよ!」
今すぐ吐きたいような思いを飲み込んで、雪兎は肉塊になってしまった人々を悼む様に俯き表情を曇らせる。
その悲しげな声を聞きながらもカルマは動じる事無く、部屋の中央に置かれていた大型コンソールに近寄って自らの躯から伸ばしたケーブルを繋げると、苦々しい表情を浮かべた雪兎へ声を掛けた。
『兎に角資料を集めない事には分かる物も分かりません。ですので取り敢えずここに遺されているデータ全てを拝借します。 ちょっと時間が掛かりそうなので待っていて下さいね』
「あぁさっさと済ませてくれ。 こんな所一秒も長く居たくないからな」
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