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身体の感覚が次第に遠ざかるに従い、己が意志に反して増して来る眠気に耐えられず意識が闇に解けようとする。
『ユーザー!?』
しかし突如耳の中に飛び込んで来た幼い声が完全に意識を手放すことを許さなかった。
「何だカルマ、もう終わったのか?意外と早かったじゃないか……」
『そんな事悠長にしている暇は無いでしょう!? 今すぐ接合を行いますから動かないで!』
自身の状況を気にも留めずに喋ろうとする雪兎を黙らせながら、カルマは周囲にばら撒かれた左腕のパーツを瞬く間に拾い集めて繋ぎ、左肩を庇う様に蹲った雪兎の傷口と合わせて再生しようとする。
しかし千切れた腕と傷口の細胞を活性化させる為に放射されたレーザーが、断裂面に僅かに付着していた化け物の細胞を活性化させた瞬間、腕の切断面から先程殺した筈の化け物の大顎が生え、接合中の左腕を思い切り噛み潰した。
折角元通りに繋ぎ合わされた左腕を目の前でミンチにされ二人は思わず黙り込む。
『そんな……』
「イカれてる、どうなってるんだよ!?」
余りに理不尽で理解不能な出来事に怒りを隠せずに憤る雪兎。
しかし事態はそれに留まらなかった。左肩に留まっていた痛みが全身に伝播し消失すると、髪が、歯が、爪が忽ちの内に抜け落ち、新たな物にへと入れ替わりを開始する。
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