第4話 超克

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死んだ後にもう一度死んだらどうなるのだろうと間抜けな事を考えつつ、顎門の向こう側をしっかり見据えながら。 しかしその矢先、闇に慣れた視界を眩い閃光が迸り、黒一色だった視界が突如真っ白に開けた。 「うぅ!?」 完全に無に還るのかと思っていた雪兎の予想を外れ、失っていた感覚が肉体を認識し、意識が完全に覚醒する。 焦点が合わずにぼやけた視界に映るのは、自身の血潮で真っ赤に染まった床。 先ほどまでの非現実的な空間からいきなり現実的な光景を見せ付けられたことに困惑し雪兎は何とか状況を把握しようと身を捩じらせるも、喉の奥に強い不快感を感じた為にほぼ反射的に咳き込む。 すると先ほど自ら撃ち込んだ銃弾が吐き出され、固まり掛けた血の中に転がり落ちた。 人体など容易く貫ける弾丸が何故体内に残っていたのかと雪兎は不思議に思いつつもゆっくりと上体を起こし、喉の違和感が偽りでない事を実感する。 「僕は生きているのか?」 『そうですユーザー、貴方は間違いなく生きています。  ただ、人として生きているかは定かではありませんがね』 朦朧とする意識の中でぼんやりとしながら雪兎が呟くと、それに応えるように背後から幼い声が飛んで来た。 『おはよう御座いますユーザー。 ご気分は如何でしょう?     
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