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side 佐伯
どろどろになった身体を濡れタオルで拭いていく。
鍛え上げた肉体は、無駄に筋肉バカな訳じゃなくて綺麗だ。
意識を手放すほどに犯したい…そう望んだ通り、美里は乱れに乱れて眠っている。
「っしょ、っと!」
ベッドまでお姫様抱っこ…は無理なので、何とか担いで運ぶ。
毛布を掛ければモゾッと丸まるのがネコみたいだ。(あ、ネコ役だからネコで合ってるのか)
キツい眼は閉じられ、意志の強そうな唇を僅かに開いてゆっくりと呼吸を繰り返す。
筋肉のついたしなやかな身体は俺よりもガッシリしていて(俺だって鍛えてるのに)、高い身長と(俺だって低くはない)日に焼けた褐色の肌は(俺だって日に当たってる!)…正直カッコいい。
悔しい。
同じ男なのに、同じように鍛えてるのはずなのに、なんで俺よりカッコいいかなぁ。
応援で行った代表試合、初めてこの人を見た。
汗を流して戦う姿に純粋に惹かれた。
この人に憧れて興味の無かった柔道を始めた。
手合わせして、投げられて、押さえ込まれて…全く敵わないという経験を初めて味わった。
親しくなりたくて、意識してもらいたくて。
憧れが恋慕に変わるのに、時間は掛からなかった。
『鬼畜』だの『サド』だの部活の時には散々な言われようだが、こうして眠っている姿は無防備で…少し幼く見える。
『強くてカッコいい先輩』は蓋を開けてみれば『ドMの変態』。
俺のを旨そうにしゃぶる変態。
イラマされて悦んじゃう、拘束されて興奮しちゃう、ローター一日ケツに入れられて感じちゃう、尻舐められて欲しがっちゃう………あ、また勃った。
普段とセックスとのギャップがありすぎんだよ。
次は何をしてやろうかって、そう思わずにはいられない。
俺、別にSだった覚えは無いんだけどなぁ。
美里を前にしたら理性が崩れる。
それこそ眠らせてイタズラ仕掛ける程度には。
……………
……………………あれ?
もしかして、俺も変態?
「…………ん、さえ、き?」
「あ、気がついた?」
頭を撫でていればゆっくりと開かれる瞳。
そのトロンとした眼差しが、だんだんとハッキリとしていく。
「その。身体、大丈夫…ですか?」
「………………」
やり過ぎたかも、という意識はあったので聞いてみる。
乱れまくった姿は可愛いけど、その後がね。
仕返しとばかりにシゴかれるんだよなぁ…部活で。
「美里?えーっと、、、仁科センパイ?」
「……………………」
返事をしないのが逆に恐いんですけど。
流石に、怒ってる、、、よな?
「えっと、調子に乗りすぎました。ごめんなさい。」
ベッド脇で深々と頭を下げる。
明日の朝練、河川敷まで5往復決定かなぁ…ハハハハ…
「…………隠し」
「はい?」
覚悟を決めていたところにボソッと呟かれ、聞き取れなかった言葉に顔を上げた。
「今度は目隠ししてヤろうぜ。」
「………………あ、はい。」
なに、このこ。
最高か?
こっちはあんたの寝顔と淫乱っぷり思い出して勃起してるっつうの。
そんなの聞いたら…
「ちょ、待て!ケツいてーから、今はヤんねーからな!?」
臨戦態勢整った俺の下半身を見て、冷静にストップを掛けてくる美里の腕を掴む。
ここまで勃ってる状態でそれはないっしょ。
「目隠しプレイはまた今度ね?」
「お、おう。」
ホッとしたような表情にニッコリと笑って見せる。
「だから今は、『愛撫しまくりの乳首イき』経験してみよっか。大丈夫、突っ込まないから尻に負担はないよ。」
「は?はぁぁぁぁあ?」
大きな声をだす美里にのし掛かりながら、ワクワクしている自分に呆れる。
ああ、ほんと。
今日も俺達は相思相愛の変態カップルです。
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