桜吹雪の様に荒々しく

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桜吹雪の様に荒々しく

今日も晴緋は、桜の木の下で飛び続ける 樹実人と両思いになれる様に 自分が女なら苦労はしなかったかもしれない 低身長の小柄な体 カップルの丁度いい身長差は、12センチらしい 樹実人と晴緋も12センチ差だった 一つ問題があるとしたら自分が男と言う事 男子校という事もあり周りの思春期の男子は、 女子の話で持ち切りだった 今回たまたま好きになったのが 男だっただけで周りの空気についていけない訳ではなかった ただ、女性の話で盛り上がる樹実人を見ていると はがゆくなった けど、恋心は、加速する一方だった 収集をつけようと思いついたのが 桜の花びらのジンクスだった 中学の時に女友達が春に盛り上がっていたのを 思い出して自分も願掛けをする事にした 叶うなんて信じてはいないがほんの少しの願いを込めた そして、3枚掴めた日には、告白しようと決めていた やりだしたは、いいものの意外と掴めないもので やけになって飛び跳ねていた その姿から『桜の下の座敷童』と呼ばれるようになった そして、今日も今日とて座敷童は飛び回っていた 「晴緋」 背中から樹実人の声が聞こえた 「なんだよ!今、忙しいんだよ!!」 桜を掴む事に必死で好きな人に対して雑な返事をした 「あと1枚、あと1枚で願掛けが叶うんだ!!」 勢いよく飛んだい つもより高く飛べた 桜の花に顔がつきそうだった 花びらを掴む事ができた 「よっしゃーー!!掴んだ!!って樹実人!! 何、つかんでんだよ!!」 興奮して気づかなかったがいつもより高く飛べたのは、 樹実人が持ち上げているせいだった 「樹実人!離せ!おろせ!!」 「いやだ!!」 背中から抱かれているせいで 樹実人の顔は晴緋の背中にくっつき表情がみえなかった 「ばかやろ!おろせよ!!はずかいいだろ!」 暴れる晴緋以上に荒げた声で樹実人が反発した 「いやだ!!離すもんか!!晴緋は、俺のもんだ!! 誰かにやってたまるか!!」 「いいからおろせ!!」 暴れる晴緋のひじが樹実人の頭を襲う 打ち所がわるかったのか晴緋から手を離して ふせってしまった
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