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「新しく配属された部隊の隊長が・・・ちょっと苦手なタイプで・・・」 「ふんふん、なるほどねー」 ミーリスは聞き役に徹し、出来るだけ頼斗から情報を引き出した。 ある程度の情報が集まると、それらを分析した所感を口にする。 「そういう場合はねー。人によるけど、そのいけ好かない奴を超えてやる―って事をモチベーションにするか、それとも、そんな奴は関係ねえー、と思うかのどちらかなんだよねー。君はどっちのタイプ?」 「うーん・・・どちらかというと・・・超えてやる―の方かな」 「うんうん、なるほどなんだねー」 頼斗はミーリスと話しているうちに思い出したことがあった。 敵の流している音声の事だ。 戦意を挫くための音声の中に、何か引っかかったものがあったのだ。 普段なら聞き流すだけのその中に、どうしても看過できないキーワードがあったのだ。 「何の為に戦ってるか・・・」 「ン?」 「最近、何の為に戦ってるか分からないんです」 「そっかー・・・それじゃあ、やっぱり、そのいけ好かない奴を超えてやる!ってのを目標にしてみたらどうかなー?私も応援するし、また来てよ。こういうのは経過観察が大事なのよねー。一緒にガンバロー」 「う、わ、分かりました」 診察室を出て溜息をつく頼斗。 ここに来る前よりも疲れたような気がする。 だが、ここに来る前、何をしていいか分からない状態よりは精神が楽になったような気もする。 とりあえず、頼斗は訓練に勤しむことから初めて見ようと思うのだった。
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