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侵略者は突然空から来襲してきた。 コミュニケーションの全く取れない侵略者たち。 どんな目的があるのか分からないまま、執拗に繰り返される侵略行為。 それは10年も続いた。 無限かと思われる敵の物量に人類は次第に疲弊していく。 それをギリギリのところで支えているのがヒトガタという兵器だった。 そのパイロットである頼斗には、ヒトガタの主たる構成要素であるニューロメタルに高い適性を示していた。 更に高い操縦技術も持っており、エースパイロットとして申し分ない才能に恵まれていた。 だが、ヒトガタの性能はパイロットの精神状態に強い影響を受ける。 まだ19歳と若いせいもあるが、生来から気持ちにムラのある頼斗は安定した戦果を出せずにいた。 「はー・・・また、一人で帰還か。まったく役立たずばかりで嫌になるぜ。どいつもこいつも足手まといばかりだ。これじゃ、地球の先も知れたもんだぜ」 一人毒づきながら機体から降りる頼斗。 すれ違ったメカニックの怪訝そうな顔を見て、更に機嫌を悪くする。 「ちっ、お疲れ様くらい言えないのかよ」 しかし、頼斗には後ろめたさとも言える心当たりがあった。 最初から万全の性能を発揮していたら、上官も死なずに済んだかもしれないという事だ。 「仕方ねえだろ。戦場は・・・戦場ってのは、そんな感情を自由に出来るもんじゃねえだろ」 誰に言い訳するでもなく、そう呟いていた。 先ほどのメカニックも、その事を攻めていたとは限らない。 只の頼斗の思い込みに過ぎないかもしれないのだ。 そんな頼斗の呟きを聞いていた者が居た。 「出来なきゃ死ぬだけだ。さっきも危なかったらしいじゃないか」 そう言ったのは赤髪の美しい少女だった。
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