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頼斗にもかつて心許した戦友が居た。 訓練を共にした同期の仲間たちだ。 気心知れた彼らと共に出撃する事も何度かあった。 そのころの頼斗の戦績はすこぶる良いモノだった。 頼斗の背を守る戦友たち、そして、そんな戦友たちを頼斗が守る。 まさに破竹の勢いだった。 侵略者の猛攻は止むことが無かったが、それでもその頃は単に物量が多いというだけで、それほど脅威ではなかったように思える。 それは頼斗の精神状態がヒトガタの性能を高く高く引き出していたためと言える。 だが、侵略者たちもただやられ続けるばかりではない。 人類を観察し、研究し、一つの結論に行きついたのだ。 それはある日、突然起きた。 それまで、ただ無機質に攻撃を仕掛けてくるだけだった侵略者たちが人質を取ったのだ。 今までにない敵の行動に驚く味方達。その隙をつかれて次々に撃墜されてゆく。 頼斗は味方の死に恐れ慄き、全く戦えなくなり、逃げ惑うのがやっとだった。 その日、頼斗は戦友と言える者達を全て失ってしまった。 それは、頼斗の胸に消えないトラウマとして刻まれている。 戦友の死の光景は今でも生々しく思い返せるのに、どうやって自分だけ生き残ったのかは記憶が曖昧で思い出せない。 ・・・確か、たった一機の味方が助けに来てくれたような気がする。 それも、銀色に輝くカスタム機だった。 「馬鹿馬鹿しい・・・きっと都合のいい夢で上書きされたんだ。俺も子供っぽいよな・・・」 自室に辿り着くと、頼斗は疲れ切った体をベッドに投げ出した。 「もう暫くは動きたくない」 そう思う頼斗にお構いなしに、呼び出しのアラームが鳴り響くのだった。
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