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それは予想通り、新しい配属先の事だった。
「俺はヴェイン。お前の新しい上官だ」
一目見て、頼斗は思った「嫌な奴だ」と。
なんとなくリタやゴードの上官がコイツではないかという予感がする。
つまり、リタの予想通り、頼斗はリタと同じ部隊に配属になるという事だ。
「彼の部隊はエース部隊でね。私が頼斗君を推薦したんだよ」
頼斗を呼び出し、ヴェインに引き合わせた将官がニコニコとした笑顔を浮かべながらそう言った。
「何が推薦だ。部隊が全滅して、あぶれたから適当な所に突っ込んだだけじゃねえか」
・・・頼斗はそう思ったが、口にはしなかった。
「聞いた通り、我が部隊はエース部隊だ。過酷な戦場を渡り歩くことになる。ここが落ち着き次第、別の拠点に移るからな。荷物は整理しておけよ」
「ここが落ち着くって・・・そんなこと・・・」
「お前の事は知ってるぞ。頼斗少尉。フラフラとした戦い方しやがって。俺がお前を受け入れたのはな、どうせすぐに死んで変わりが来ると思ったからだよ」
「まあまあ、ヴェイン少佐、落ち着いて」
クソッタレな上官。
コイツこそソレだ!
そう思った頼斗の推測を裏付ける様に聞き覚えのある声が響いた。
「お呼びですか?」
リタとゴードが敬礼を伴いながら部屋に入ってきた。
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