彼の未来……2

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「寧々も苦しいと思うけど、しばらくは俺の好きなようにさせて… 俺は、やっぱり、寧々のお母さんの笑顔が見たいんだ。 子供の頃の寧々のお母さんの記憶は、とっても優しくて穏やかでいつも笑顔だった。 俺がその笑顔を奪ってしまったのなら、俺がその笑顔を取り戻したい。 いつになるか分からないけど、でも、そうしなきゃ俺の気が済まないんだ。 お母さんが結婚を許してくれたら、すぐに籍を入れよう。 そうなるように努力するから、しばらく俺の事を見守っててほしい」 私は泣きながら頷いた。 お母さんだっていつかは必ず分かってくれる…  だって、私の愛する人は、こんなにも私のお母さんの事を大切に想ってくれて、お母さんの優しい笑顔を知っている。 私は分かったの返事の代わりに、幹太に優しいキスをした。 キスをしてもし足りないほど、幹太への愛情があふれ出る。 今、やっと優樹菜の言っていた意味が分かった。 幹太を守るという事は、幹太を無条件で永遠に愛するという事だと…
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