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 破裂音とともに、研究所内が少し揺れた。現状、あまり心を休めている余裕はなさそうだ。 「レイジさん俺たちは一体どこに向かっているんですか?」  僕の手を引きながら、ずっと歩いているのに、レイジの息は乱れていなかった。これは僕が運動不足だから、こんなにも息が切れるのかと、日々の行いを恨んだ。 「あとはこの扉をくぐれば、健太くんもよく知っている人がいると思うよ」  レイジは厳かに言った。  錆び付いた扉が開く音が聞こえた。そして、微かに聞こえていた様々な声が、最大ボリュームとなり、他の部屋にはない熱気が満ちていた。  レイジはすみませんと言いながら、どんどん奥の方へと進んでいくのがわかった。徐々に歩くスピードが遅くなり、ある場所で完全に足が止まった。 「やっときたか」  そのダミ声は聞き覚えがあった。 「おっちゃん? でも、どうして」 「そんなに驚くことでもなかろう。ここは俺の研究所なんだからな」  僕はあれと思った。さっきまで温かったレイジの手は冷え切っていた。その変化を自身でも気がついたのか、すぐにレイジは僕の手を離した。  僕はおっちゃんの研究所であることよりも、レイジのただならぬ様子に一抹の不安を覚えた。 「なんだ、レイジここに来て怖気付くのか」  おっちゃんの言っている意味もよくわからなくて、より僕は混乱した。 「おめぇだろ、レイを格納庫からだしたのは」  レイジは何も言わなかった。あるのは喧騒と化した数々の怒号ばかりだ。僕の耳は何らかの違和感を感じ取ったが、その理由がどこにあるのかまでは分からなかった。
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