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 この地球は三つの多元宇宙の惑星の重なりによって成り立っていた。それぞれ独立して存在した世界であるが、時折世界の一部が接続され例えば神隠しなどの事件や、時間移動、その他諸々のパラドックスを引き起こしていた。上から順に美しき庭を意味する天国の地球ティアガルテン、獣の庭を意味するがそれでいて均衡がとれ平和なツオロギッシャーガルテン、そして所謂地獄であり人々が争い続けるクリークガルテン。  地獄と天国の間に位置する平和なツオロギッシャーガルテンがこの物語の舞台である。  牧畜と加工肉の輸出で潤う牧歌的なアブラミア公国へ、隣国シュテルベルグが突如発掘されたウサギに酷似した発掘兵器にて侵攻した。これは三つの世界の中でもっとも早く文明を発達させたティアガルテンの世界の人間がツオロギッシャーの監視者として埋めたものである。動物の姿をしているのは、人が本能的に猛獣を恐れる気持ちを利用するためだ。     
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