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第一章 相談部の裏の顔
放課後。授業が終わって俺は速攻で部室へ向かう。下手したら学校生活で一番速く走っている瞬間なのかもしれない。
部室へ入った俺はこれから来る部員の飲み物を用意する。すると、ドドドドド…という音が聞こえてきた。げっ、この走り方は…
「杏!大変だ!」
そう叫びながら部室に入ってきたのは同学年の草木 達也。走り方や話の内容はともかく…
「まず、俺のことを杏と呼ぶのをやめろ!俺は亜漣。それが嫌なら漣と呼べと言っているだろう!」
「それを言うなら、杏も自分のこと、『俺』じゃなくて『私』って言えって言ってるだろ?…って、それどころじゃねえんだ杏!本当に!」
「それどころもくそもねえ! 呼び方を直せ!」
と、終わらない口論を続けていると、
「まあまあ、二人とも。喧嘩はそこまでにして… どうしたの?たっくん。今日は早いじゃない。」
ドアが開いていつもどうりの鈴が鳴るような声が響いてくる。この声は…
「部長!」
そう、わが部の部長。佐々倉 奈緒先輩だった。
「部長! 一大事です! 相談BOXに…相談が入ってたんです!」
その一言で、二人の空気が張り詰める。 …って、なんで俺はこんなに客観したことしか言ってないんだ。
「はぁ!?んでそれを先に言わねえんだよ!」
「言おうとしたら突っかかってきただろが!てめえが!」
おめえが杏って呼ぶからだろうが! そう反論しようとしたら、部長が話し始めた。
「うちの部活に相談なんて… どんな相談なの?」
そう、本題に入る前に。いちおう俺たちの部活の説明をしておこう。
俺たちは『相談部兼漫画・アニメ研究会』という部活に所属している。
先に言っておくが、相談部なんて名ばかりだ。実際は漫画・アニメ研究会としてしか活動をしていない。
この部活に相談した生徒は、ほとんどが悩みが増えてって帰っていく。
そのため、俺らに相談をよこす生徒なんてこの学校には一人もいない。…はずだったのだが。
「それが…」
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