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白金色の機体は、深紅の機体に比べて酷くぎこちない__まるで自分の身の丈に合わない鎧を着ているような動きでそれに当たりに行き、背中からマントをの様なパーツを前面に回して受ける。
『戦士たるものが無辜の人々を傷つけようとする……!?__なら!』
深紅の機体が白金色の機体を空で組み敷くような格好で捕まえ、その上で胴体の各部に有る機関砲に火を吹かせる。
『どうするというのだね?制御系の面倒を見る事と機体の操作を同時にと言うにはやりずらいだろう?それに〈牽牛戦機〉のリミッターも解除できていないと見えるなぁ』
至近距離で向かってくる弾丸の嵐は、貫通こそしないもののコックピットを強く揺らし、徐々にでは有るが確かに傷を付けていく。
『っ!?』
いたぶられながら図星を突かれるのは、屈辱だった。
白金色の機体の人々を戦火から庇うような振る舞いは英雄的で、言動も__聞かせることができればだが__一般大衆のイメージする正義の味方と言えたが、先に撃たれた光線の余波で割れたビルの窓やらが雨霰と降ってくるのだから、哀れな通行人達は一部を除いてそれどころでは無かった。
「帰りやがれー!」
「助けてもらえたっての……!?」
「うあああ!?硝子がああ!」
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