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Aパート
◯「癒し人と剣闘士」の世界・騎士団員採用試験・コロシアム
コロシアムの中心にてソウマ・ブラッド(19)と
甲冑の騎士二人が対峙している。
観客A「おいおい、流石にコロシアムの殺し屋でも フル装備の騎士団二人には勝てないんじゃねの」
観客B「こんなのイカサマだろ。あいつが異民族だからって意地でも騎士団に入れないつもりだ」
観客B「騎士団はよそ者にはとことん厳しいと聞くが、普通あそこまでやるかね」
フィト・スフィア(14)観客席で祈るような仕
草。
フィト「神サマ、どうかソウマさん に勝利をーーいえ、無事に返してください」
騎士団の団長、観客席から舞台に降りてくる。
次第に観客席のざわめきが小さくなる。
観客A「(小声で)おい、あれって騎士団長
じゃないか?」
観客B「ああ、何度か軍事パレードで見たことがある間違いねぇ」
騎士団長「さて、お集まりの皆様。本日はこの騎士 団員採用試験にお越しいただき誠にありがとうございます。
さて、今回の試験については、前回の試験と比べ て数段レベルが高く、なかなか納得のいかない方も
多いことでしょう。この青年、ソウマ・ブラッドは志願者52名と連続で組手をし、その圧倒的な力量で勝利。また先程のドラゴンとの戦いでも知恵を張り巡らし撃退しました。
彼の実力は騎士団の精鋭の中でも上位を争うレベルにあることは間違いありません。
しかし彼はかの戦闘民族、ミルドシアの末裔。いつ我が騎士団、いえ、我が国を裏切るか分かりません。そこで、ここで彼に最大の試練を与えます。この試練に打ち勝てば ーー」
ソウマ、腰に挿していた剣を抜く。
ソウマ「もういいです。この人たち倒せば合格......なんですよね」
騎士団長「ああ、理解が早くて助かる」
ソウマ(M)「ああ......クッソ視界が歪む。あとちょとなんだ、あと少しで騎士団に入れる。耐えてくれ、耐えてくれよ、俺の体」
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