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フィト、騎士団に連れられて、コロシアムを後にする。最後に一瞬だけ振り返って、
フィト「(口の形だけで)し・っ・か・り・ね・て・く・だ・さ・い」
それを見た優磨、一瞬泣きそうになり、それを 周囲に隠すためにうずくまる。
ソウマ(N)「遠い昔、戦火で傷つく女を不憫に思った神さまは、彼女たちに力を与えた。ある者は豪腕の狼に、ある者は、どんな隙間もすり抜けられる蛇に......そして彼女は......フィトの子孫は傷を癒す力を持った犬になった。
これは俺、ソウマ・ブラッドと癒し人フィト・スイファの物語」
(審査員の方へ)
この柱は優磨が作家として二流であることを表す大事なシーンです。そのため特別描写はしませんが、フィト、ソウマの表情は極力無表情で、且つ、描写する背景もモノクロで味気ないものにしていただけると、今後の展開がより良いものになります。
何卒ご理解いただけますようによろしくお願いいたします。
◯日本クリエイター協会・談話スペース
審査員、企画書を整えながら短い溜息。
前に座る弘瀬 優磨(17)身を乗り出して、
優磨「どうでしたか? 僕の『癒し人と剣闘士』
は。個人的には、これまでに持ち込みをさしてい
ただいたものの中で一番の出来だと思うんですよ」
審査員「うーん、いや、発想はいいと思うよ。前回の殺伐としたバトルものにプラスして猫耳少女を登場させたことによって、より若い層のウケが良くなったと思う。でもこの作品は、国家クリエイターのレベルには程遠い」
優磨「どうしてですか!? 今回の作品は幼い頃に母親から聞いた英雄の話に憧れて騎士を目指す青年と、他人の傷を癒す代わりに痛みを肩代わりするという特殊な力を持った少女のボーイミーツガール! かってみたこともない設定でしょ。あとフィトちゃんの犬耳。可愛すぎでしょ。萌えですよね。これほどの作品はAIでも、天才国家クリエイターの彩乃 ほたるさんでも書けない筈だ(徐々に早口になって聞き取れなくなる)」
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