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審査員「はいはい、もういいよ。弘瀬君、確かにこの作品はAIでも、国家クリエイターでも書けないような斬新な世界だ。しかしそれだけだ。アイデアは誰でも持っている。赤ん坊でもね。でもそれをみんな形にしない、それはなぜだと思う?」
優磨「書く力がないからか、書くのが面倒だからじゃないですかね。ほら、小説書くのって案外時間かかるし」
審査員「赤ん坊は確かにそうだが、国家クリエイターが書く力がないなんて訳ないだろう。彼らは日本を代表する選ばれし100名だ」
考え込む優磨。
見かねた審査員は席を立つ。
審査員「キミは今一度、なぜ自分が準国家クリエターになれたのか......そして、なぜ国家クリエイタ ーになれないのかを考えた方がいい。話はそれからだ」
優磨 「本日はお時間いただきありがとうございました」
深々とお辞儀する優磨。目からは涙が溢れる。
机に置かれた企画書の隙間からデフォルメ化されたフィトが這い出てくる。
フィト「はい、はーい。序盤から意味不明なシーン の連続なんて、アニメで一話切りされる一番の原因なので、ここで登場フィトちゃんだよー」
企画書の上でキメポーズをするフィト。
優磨、企画書を乱暴に手提げカバンの中にしまう。
フィト「コラ! 乱暴に扱うな!」
フィト、カバンの中から這い出て、優磨の肩に登る。
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