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「工藤とは付き合ってないんでしょ? ならさ、俺と──」
「宮っち、帰ろ?」
突然聞こえてきた声に振り向くと、そこには工藤君が立っていた。
「工藤、俺、まだ宮地さんと」
「うん、でも帰るよね? 宮っち」
私は工藤君と松村君を交互に見て──。
「えと、じゃあね」と、松村君に挨拶をして立ち上がった。
そして、いつもと同じように工藤君と通学路を歩く。
「ねぇ、宮っち」
「うん」
「僕が迎えに来なかったら、どうしたの?」
「え?」
質問の意味が分からなくて顔を上げると、工藤君と目があった。
「……ど、どうもしないよ! あはは、何心配してんの?」
笑って誤魔化してみたけど、工藤君の顔は真剣なままだ。
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