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岩崎 アンタには関係ないでしょ!
研二 関係ないって
岩崎 あーそうだ!私ちょっとトイレにポーチ忘れて来ちゃった。取りに戻るから、アンタは勝手に家に帰ってて。入り口に私の車も停まってるから送っていくように運転手に私から伝えとくわよ。
研二 いや、あのな、岩崎
岩崎 じゃあね。今日は、その…付き合わせてごめんなさい。
●トイレの方向へ走っていく岩崎。取り残される研二。
●先程の場所からか真反対の小さな休憩スペースでへたり込む岩崎。
岩崎 私のバカっ!!バカっ!勝手に舞い上がって勝手に幻滅して、挙句アイツの前であんな姿見せて…情けない!
アイツが私の事を好きでもなんでもないことぐらい分かってたことじゃない。
うん。分かってた。分かってたけど。
●今日の遊園地でのデートの光景が脳裏に蘇る
岩崎 楽しかった…のにな。
楽しんでたのは、私だけか。
研二 トイレ行ったんじゃねーの?
岩崎 ぎゃーーーー
●ベンチの上から岩崎を覗き込む研二
研二 ビックリしたよ、急に走り出して。それにトイレの前でいくら待っても戻ってこないから、探したぜ。
岩崎 は?
研二 は?じゃなくてさ。
岩崎 探しにきたの?私を?
研二 そうだけど?
岩崎 なんで…
研二 うーん…この前の壺…
岩崎 それはもういいって!
研二 これなんだけどさ
●研二、小さい包みを岩崎に渡す。
岩崎 なに?これ
研二 さっきお前を待ってる時に見つけてさ。その…壺の代わりになるとは思ってねーけど、その、なんだ…岩崎にやるよ。
●中には、遊園地で人気の髪飾りが入っていた。
岩崎 ……
研二 なんか言えよ!もちろんこれだけじゃ足りないと思うけど…
岩崎 ……あ、ありがとう。
研二 おう。
●沈黙
岩崎 これ、つけてみてもいい?
研二 タグそのままだから上手く付かないと思うぞ?
岩崎 アンタって本当に一言というか、一小節分くらい余計なこと言うわよね!
研二 は!なんだと!!
岩崎 ……(だめだ、このままの勢いで何か今までため込んだ全部の思いをぶちまけてしまいそうだ!顔が熱くてはち切れそう…!)
研二 なぁ、岩崎
岩崎 な、なにかな!?
研二 とりあえず……俺への罰は終わったってことでいいんだよな?
岩崎 あー…そうね。終わったわ。
研二 それじゃあさ…
岩崎 …ゴクリ
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