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第一話 前哨的絶望
耳を劈くような悲鳴。鳴り止まぬ叫声。
助けてと泣き叫ぶ少女の頭部を掴む、異型の怪物。一心不乱に逃げ出す者共の行く手を阻む何か。
地獄と形容するにはあまりに現実味がなく、まるで天災にでも遭ったかのような理不尽さ。
目の前で起きるその惨劇を呆然と見ている僕の頭上で、この街を覆うほどの天蓋が空をも覆い尽くしていた。
ゆっくりと回転しているように見えるソレから時折放出されるポッド的な何か。それからのっそりと姿を表す化物の集団。
あらゆる要素が絶望へと結びつき、もはや誰一人として恐怖を感じていないものなどいない。
見渡す限りの惨劇。目に余る悲劇。
それをただ見ていることしかできない僕は、悔いるようにその場に崩れ落ちた。
誰も何もできない。だから僕も何もできない。
警察が撃った弾丸は意味を成さず、時折車両から上がる爆発音で減る気配もなく。
まさになす術なく、人類はその何者かに蹂躙されていた。
地に伏せたままの僕に、目の前から飛来した小型機から降りた何かが近寄り、そして――
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