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「正直あなた方には失望しましたよ。まさか二千年も掛かってしまうとは」
「うるさい。とにかくなぜ奴隷呼ばわりする星にお前らの王の血が紛れている?」
「それを答える義務はありませんね」
……チクショウ。勢いでは押しきれないか。
ならば早く光って欲しいものだが、精神状態に影響されたりしないだろうな?
「ならばお前たちの正体について、まだ話していないことを話せ」
「私たちは一人の絶対王の配下のもの。そして今そこで敬礼をさせられているのが雑兵ども。……まあ、あなた方地球人の方が位は低いんですけど」
どういうことだ? 王が一人?
さっきの十三王子の話はどうした?
……聞きたいことが多すぎる。もどかしさに押し潰されそうだ。
こうして腕を突き付けているのも体力的に限界が来そうだし、奴も跪いた姿勢から動かないとはいえ、こちらの意図を察したかのような視線を送ってきやがる。
「なぜ自分たちの星については答えない?」
「…………」
……どういうことだ? 普通に考えて星については一番に語るべきところだ。
なのにこいつは名前すら言わない。
僕の命令を無視してだ。
何か、何か別の圧力でも働いているのだろうか。
例えば――
――そんなことを考えていると、また手のひらが光りだした。
内心ガッツポーズでもして喜びたいところだが、そういう訳にもいかない。
あくまで自然にしておかないと、後々のためにならない。
「では次に、なぜ奴隷と罵る地球にお前たちの王の血が混ざっているか、『答えろ』」
これだけ長い質問でも聞き入れられるのかのテストも兼ねて、僕は早口で言った。
すると奴は途端に憎しみに染まったような顔をしだし、またねちっこい話し方に戻って答える。
「私たちの星を急速に発展させぇ、今の体制を作った世代ぃ。それが十三人の王子が君臨した時代ぃ」
怒りに満ちているせいか、奴は若干変なイントネーションのまま続けて言う。
「その中で最も不必要だったくせに十三王子はぁ、星を捨て地球に逃げましたぁ」
その様には狂気すら感じられて、恐怖からか後ずさりしてしまった。
……光が消えた?
「奴はこの地球で神を名乗りぃ、思うように操りだしたのですぅ」
奴は話すことに集中しているせいか、僕の手のひらに光がないことに気付いていないようだった。
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